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おねしょについて

更新日:2023年3月28日



【はじめに】

皆さんは夜尿症(おねしょ)と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。小学生ではまれなもの。小さい子の病気でいずれ治るもの。あまり心配しなくて良いもの。といったところでしょうか。

さて実際はどうでしょうか。図1に示す様に、夜尿の割合はそこまで低くないようで、小学校の高学年中学生でも、一定数認められるようです。1)



【夜尿症の子の気持ち】

夜尿症の心理的影響について近年報告されています。家族の前では平気にしているかもしれませんが、自尊心を喪失し精神的ストレスを感じているとされています。2)3)4)


【診断・検査】

夜尿症は大きく単一症候性夜尿症と非単一症候性夜尿症に分けられ、そのほとんどは特殊な検査が必要なく比較的予後も良好な単一症候性夜尿症になります。多くの場合クリニックなどで問診・診察・検尿などを行うことで診断できます。


【治療による治癒率】

近年夜尿症の治療が見直され、治療することにより治癒率が向上しています。自然治癒と比べても図2の様な改善率となっています。すぐに治癒100%とはいきませんが、明らかに有効です。1)



【治療の流れ】

表に示す様に、お子さんの夜尿の時間帯頻度、昼間の排尿の頻度や「昼間のお漏らし」が有るか、いつもの夕食のメニュー、排便の頻度性状等を把握した上で、医療機関を受診します。小児の夜尿症をよく診ている施設では、それらについてしっかり問診をして、診察を行います。その後生活改善を行い夜尿日誌記録をつけて、ある程度の経過を観察した後に評価を行います。5)


その結果有効であれば生活指導を継続し、無効であれば生活指導を継続しながら内服療法を開始します。

また内服が無効であった場合はアラーム療法を併用することもあります。


【薬物療法】

現在は薬物療法は2種類が行われていますが、多くの夜尿症は下垂体後葉ホルモンのみが適応となっています。

下垂体後葉ホルモンの効果としては夜間の尿量を減らすという作用になります。決しておしっこが出なくなる様な強力な作用ではなく、またおしっこが膀胱にたまったら目を覚ます作用でもありません。

以前使われていたお薬よりは明らかに有効で、安全性は高いといえますが、あまり強力ではないため指導による生活改善が必須となります。


症例にもよりますが、夜尿頻度が明らかに減るまでは、通常2ヶ月程度必要なことが多く、修学旅行等の宿泊学習2ヶ月以上前には受診することをお勧めします。

また学校の先生方の対策や宿泊に準備するものなど「宿泊行事対策」の冊子もありますので、夜尿症治療と併用して活用することができます。


文献 1) 日本夜尿症学会編.夜尿症診療ガイドライン2021.東京.診断と治療社 2) Van Tijen NM,MesserAP,NamdarZ:Perceived stress of nocturnal enuresis in childhood.Br J Urol 1998;81 Suppl 3:98-99 3) 河内明宏、田中善之、三木恒治、渡辺泱、八木保樹:夜尿症患者のself-esteemに関する検討.夜尿症研究4:21-23,1999.

4) 田村節子、池田裕一:夜尿症診療における心理面からのアプローチ.小児科臨床 2016:69(7).1263-1271

5) 帆足英一:夜尿症の生活指導.小児科臨床 2012:65(4).931-939 日本夜尿症・尿失禁学会ホームページ

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